詩(うた)。

君は不意に俺の肩にとまって、可愛い声で歌い始める。
俺はその歌に聞き入り、声に魅了される。

君が何処から飛んできたのかを思いもしないで。
君が何故、此処に来たのか考えもしないまま。


あらためて自分の愚かさを知る。

もっと早くに、窓を開けないといけなかった。

青い空の下へ、
優しく舞う風の下へ、
薫る木々の下へ。

本当は君が飛び立つのを促さなければいけなかったんだ。

なのに、分かっていたつもりだったのに、、、
心の底では、いつまでも此処にいて欲しいと願った。
ずっと歌を聞いていたいと願っていた。
籠に入れさえしなければいいのだと、勝手に思い込んだ。


今になってやっと分かったよ。

君には、立場がどうとか なんて関係なかったんだ。
ただ、「大好き」と歌っていただけ。
自由に。純粋に。
だから あんなに 綺麗な声で。澄んだ声で。

それを知った時、
俺は また 泣いた。


*この記事を掲載するにあたり、ほのかさんにあらためて感謝致します。

皐月の頃。~水鳥~

車を4~50分走らせて、郊外の公園に行く。

新緑が綺麗だった。

車のままで、通り抜けることも出来たけれど、
大きな池のそばで車を降りて少し歩く。

つつじがたくさん咲いていた。

池の袂まで行く。
日の光が水面に反射して、キラキラ輝いている。
その中を何羽かの水鳥が泳いでいる。

君は、池を眺めなから、、
「わたし、カモって好き。」と言った。

もう、こんな季節。
本来なら、北へ渡って行っている筈なのに。

仲間と一緒に行きそびれたのかな?
それとも、自分の意思でここに残っているのだろうか?

そんなこと、分からない。


君は柔らかな表情で、ゆっくりと水面を滑るカモを見ている。

あの時の君の気持ちも、、、

そんなこと、分からなかった。


皐月の頃。~ドライブ~

「○○さん(君の苗字)、気分転換に ドライブでもしようか?」

職場で色々あって、君は疲れていた。
部下の女の子と二人きりのドライブに誘うなんて、ちょっと越権行為かな?

でも、君は快諾?して、一緒に出掛ける。
下心? なかった、絶対。

俺は敢えて、仕事の話なんかしない。
「彼氏とドライブなんかに行かないの?」
探った訳ではないよ、絶対。

「ううん、行かないよ。」

「誘うだろ、普通。こんないい天気なのに。」

「ううん、それに あんまり会わないし。」

「ふーん、駄目じゃん、彼氏。厳重注意だな。」
わざとそんな軽口をしたけれど…

「大丈夫だよ、もうすぐ別れるから。」

「えっ? あっ、そうなの・・・。」

悪いこと、聞いちゃったかな?
でも「大丈夫」って、どういうこと?

とりあえず、受け流し、話題を変える。
構えて、軽い調子で…。

南に向かう車のフロントガラス越しの日差しが眩しい。


本当に五月晴れのいい天気だった。


薄れゆく。

ブログを始めようと思ったとき、最初は単純に君との出来事を時系列に書き並べようと思っていた。

単なる思い出のように。
始まりから終わりまで順を追うことで、全てが過ぎ去った事と自分に認識させようとした。
だから 「追憶」。

けれど、実際に書き始めると、君への想いや今の自分の思いが溢れるようで、、、結果的には雑多で繁雑なものになっていた。


最近になって気づく。
車で出掛けた時などに、ここって君と来たことあったかな? あの店は君と行ったことあったっけ?

少しずつ、忘れている。
少しずつ、記憶が薄らいでいる。


決して 君を忘れない。

けれど、俺の中で もう忘れてもいいものが選択されて、徐々に薄らいでいる。

人って、そういう風にできているんだな。


でも、決して 君を 忘れない。


路。

このブログを使って、色々と書いてきた。

苦痛から逃れるため、哀しみを癒すため、、
迷いから抜け出すため、、、
自分のため、、、、
自分を解放したいと。

そのために、自分の心に澱んでいるものを一気に押し流したかった。

そのために、ブログを毎日のように書き続けた。
そうしないといけないと まるで義務を課したように。

流し出す路は、自分で拵えたつもりだったけど、押し流そうとするその力の後押しをして貰っていた。

それが このブログ。

これで 綺麗さっぱり なんてことはないよ。
それほど 単純なことでも、簡単な事でもない。
だけど、
だから、、


路はまだ伸ばせるかもしれない。
路はまだ広げることが出来るかも知れない。


終わったこと、終わらないこと。

二人のやり取りのメールは全て消した。

気持ちの中の君というフォルダも空に出来るといいのに … ふと、そんなこと思ったよ。

削除した後になって、思い出す。
別れを告げた後のメール。

"俺にとって、既に終わったこ事と、まだ終わってない事がある" と伝えた。

"それは何?"

俺の胸の中のこと、君に話す事でも、言う必要もない。

「そのこと」は、ずっと俺の心にあって、悩ませられ続けるだろう。
けれど、「それを」和らげる方法は見つけた。
時間はかかるだろうけれど、確実に薄らいでいく。
ゆっくりだろうけれど、癒えていく筈。

最後の。

かなり迷ったけれど、君にメールを送った。

好きだとか、なんだとか そういう事ではない。

どうしても、君に伝えたい事があった。
それ以外のものはない。
それ以上のものはない。

返信は必要ないと言ったから、
多分 メールは帰って来ないだろう。

俺からも もう メールしない。

最後のメール。

送った後、残してあった君からのメールと、俺が送ったメール、、、全て削除した。


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